職場における生産性維持や事故防止の観点から、労働者の健康確保は大きな課題となっています。
そのためには会社が健康診断を定期的に実施し、結果に基づく報告や事後措置を行うことが重要です。
今回は会社で行う健康診断の費用負担や、報告義務などのルールについて確認します。
| 診断の分類によって賃金の取扱いは異なる |
会社で実施する健康診断の費用は、労働安全衛生法等で会社が負担するものと定められています。
ただし人間ドックやオプション検査を労働者が希望した場合、これらは法定外の費用となり会社の負担義務はありません。
労働者が健康診断を受けている時間の賃金については、診断の分類によって取扱いが異なります。
厚生労働省の見解によると、特殊健康診断(法定の有害業務に従事する労働者が受けるもの)では賃金の支払い義務があり、一般健康診断(職種に関係なく定期的に行うもの)では労使間の協議とされます。
一般健康診断において会社は賃金の支払い義務がないとも解釈できますが、そうなると受診しない労働者が増えることも考えられるため、受診に要した時間の賃金を会社が支払うことが望ましいでしょう。
| 所見に応じた配慮措置も必要 |
労働安全衛生法では、会社は従業員の健康状態を把握する必要があり、健康診断結果は所見の有無にかかわらず受診者全員に通知しなければなりません。
診断結果を医療機関や従業員が持っている場合、会社は提出を依頼することが可能です。
また、会社は従業員ごとに作成した健康診断個人票を、5年間保存する義務があります。
労働者を50名以上雇用している場合は、遅滞なく定期健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署に提出することが定められています。
異常の所見(「要精密検査」「要治療」など)が見られる労働者について、会社は健康保持のため医師等から意見を聴取し、必要に応じて一定の配慮措置を講じます。
具体的には「就業場所の変更」「作業の転換」「労働時間の短縮」「深夜業の回数の減少」などの措置です。
労働者の健康は会社の財産と言えるため、健康診断の実施からアフターフォローまで、手厚く行われる体制の構築が望まれます。
【参照】厚生労働省「安全衛生に関するQ&A 健康診断関係」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/faq_index.html









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