ADVANCEコラム

入院にかかる費用 糖尿病

「糖尿病」とは・・・

糖尿病は、膵臓で作られるインスリンというホルモンが十分に働かないために、血液中を流れる血糖(ブドウ糖)が増えてしまう病気です。血糖値の高い状態が何年間も続くと、血管が傷ついて動脈硬化が発症し、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった糖尿病の慢性合併症*につながる可能性があります。糖尿病には、大きく分けて「1型糖尿病」と「2型糖尿病」があります。1型糖尿病は、膵臓からのインスリン分泌不足が原因のため、通常はインスリン注射で不足を補います。一方、2型糖尿病は、インスリンが出にくくなったり、効きにくくなったりすることが原因で血糖値が高くなるのですが、遺伝的な影響に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの生活習慣の影響が大きいといわれています。血糖値をコントロールするためには、食事や運動習慣の見直しがとても重要であり、必要に応じて飲み薬やインスリン注射なども利用します。
* 糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害は、「糖尿病の3大合併症」といわれています

監修:株式会社査定コンサルティング

 

<事例> 糖尿病で9日間入院 (40代・男性)

事例の経緯と治療経過(概要)※

会社の健康診断で、何度か血糖値が高いことを指摘されていたが、特に自覚症状も感じられず、仕事も忙しかったため長年放置していた。直前の健診結果でも血糖値の値が悪く、倦怠感やのどの渇き等も感じ始めていたため、近くの総合病院を受診したところ、これまでの検査結果や生活習慣の内容等から2型糖尿病と診断され、治療と生活改善に関する教育を含めた入院を強く勧められた。9日間の入院中は、食事や運動に関する習慣の改善指導を受けるとともに投薬とインスリン注射で血糖値のコントロールを行った。退院後も自宅でのインスリン注射を継続することになり、定期的な通院が必要である。

 

 

 

入院にかかる費用 糖尿病 医療費の自己負担額自己81,022円

◉事例における医療費・高額療養費およびその他の費用(全額自己負担)の内訳◉

医療費

1か月目 合 計
入院日数

9日 9日
初診料 0円 0円
医学管理料 14,700円 14,700円
自己注射薬剤料(在宅での自己注射用に処方された薬剤費等) 16,200円 16,200円
投薬料 20,260円 20,260円
注射料 4,650円 4,650円
処置料 0円 0円
手術料 0円 0円
検査料 30,040円 30,040円
画像診断料 2,870円 2,870円
リハビリテーション料 0円 0円
入院料 270,510円 270,510円
医療費総額 359,230円 359,230円
A 窓口で支払う自己負担額(3割) 107,770円 107,770円

 

高額療養費 1か月目 合 計
高額療養費の自己負担限度額 81,022円
B 高額療養費 26,748円 26,748円
医療費の自己負担額  A-B
81,022 81,022

さらに、「その他の費用」として次のような費用がかかるケースがあります。

その他の費用 1か月目 合 計
入院時食事自己負担額 10,580円 10,580円
室料(差額ベッド代) 57,186円 57,186円
雑費 27,000円 27,000円
C その他の費用計 94,766円 94,766円
合計自己負担額 ●A-●B +C 175,788円 175,788円

A 窓口で支払う自己負担額(3割)
退院時等に医療機関の窓口で支払う一部負担金です。小学生未満や70歳以上の場合は負担割合が異なります。

B 高額医療費
同じ月に、医療機関等で支払った医療費(自己負担分)が一定額を超えた場合に、加入している健康保険や国民健康保険などから、その超えた金額が支給される制度です。以下は自己負担限度額の計算式です。

年収約370~約770万円の世帯の場合(70歳未満)の自己負担限度額▶80,100円+(医療費総額-267,000円)×1%

◆先進医療にかかわる費用、入院時食事自己負担額、室料(差額ベッド代)等は含みません。
◆最終的な自己負担分となる毎月の「自己負担限度額」は、加入者が70歳以上かどうかや、加入者の所得水準によって分けられます。

C その他の費用
医療費以外にかかった費用で、入院時食事自己負担額、室料(差額ベッド代)に加え、入院中の身の回り品や家族の見舞時交通費等の雑費がかかります。
◆入院時食事自己負担額・・・1食460円×食事回数計23回で計算。
◆室料(差額ベッド代)・・・「主な選定療養に係る報告状況(第466回中医協総会資料)」の平均値(1日6,354円)で計算。室料(差額ベッド代)は病院や室により異なり、患者本人が特に希望して個室等に入院した場合などにかかります。
◆雑費・・・・・・・・・・・・・・・・・・1日3,000円として計算。


※株式会社エフピー教育出版からのデータ提供により作成しています。
※当該疾患で想定される具体的な治療方法・経過をもとに、2020年9月現在の診療報酬点数により作成した一つの事例であり、状況により金額も異なります。

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