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【冬のゲレンデの注意事項!】安全に楽しむためのポイント

冬はスキー、スノーボードなど山のレジャースポーツが楽しいシーズンです。ただ、こういったレジャーには、事故やケガなどの危険もつきもの。今回は、雪山のレジャースポーツを安全に楽しむために知っておきたい知識や、気を付けたいポイントをご紹介します。


 

 

安全に滑れる場所や条件を知っておこう

スキー場とバックカントリー(山岳エリア)を区別しよう

スキー場内には、滑走可能エリアと、安全のために立入を禁止しているエリアがあります。スキー場内はスキーパトロールが管理を行っていますので、コースマップをみて、滑走可能エリアなのか、禁止エリアなのかを必ず確認しましょう。よくわからない場合は、スキーパトロールに聞くようにしてください。

 

一方、「バックカントリー」とは、スキー場の外で、場内のように管理されていない、自然そのままの山岳エリアを指します。スキーパトロールは巡回しておらず、危険物に対して目印を付けたり、ロープが張られたりしていることもありません。そのため、滑走時には自分自身でそのような危険に気づき、対処しなくてはならないので、高度なスキー技術と豊富な経験が求められます。

スキー場内の滑走可能エリアと、場内のそれ以外のエリアやスキー場外とでは、危険の度合いがまったく異なることをしっかりと理解しておきましょう。

 

暴風雪などの際は滑走可能エリア内でも注意を

滑走可能なゲレンデにいても、暴風雪や霧などが原因で視界全体が真っ白になり、上下左右の感覚や距離感が失われる「ホワイトアウト」現象に遭遇する場合があります。コースの凹凸や傾斜の変化、近くを滑っている人などが見えなくなるため、とても危険です。近くに建物などがあればすぐに避難すべきですが、滑走可能エリアの境界線もわかりにくくなっているケースがあるので、避難時に誤って危険なエリア外に出てしまわないように注意しましょう。また、避難が困難な状況であれば、無理な移動はせずにホワイトアウトがおさまるまでその場で待機するといった判断も必要です。

 

重大事故のほとんどはスピードオーバーが原因

中央大学保健体育研究所の調査によると、スキー場内での重大な事故の多くは、スピードオーバーのためスキー・スノーボードのコントロールを誤り、樹木などの障害物へ激突してしまうことによるものです。中には、コースの外まで飛び出てしまうようなケースもありますので、余裕を持ったスピードで滑ることが大切です。初心者の方は特に、スピードを出すことよりも先に減速や止まり方をしっかり身に着けるようにしましょう。

 

命の危険も!新雪エリアのリスク

深い雪で、溺れるように窒息してしまう新雪エリア

最近は、スキー場内で新雪が楽しめる「新雪エリア」を備えたスキー場が増えています。人気のエリアですが、同時に危険も潜んでいます。

とても柔らかい新雪が大量に積もっているところで転ぶと、なかなか起き上がることができません。さらに、その状況に慌ててしまうことで、雪に溺れるように窒息死してしまうケースがあるのです。

 

自然の落とし穴「ツリーホール」とは

樹木の真下は、枝や葉によって雪が避けられたりすることと、樹木が持つ温度により、周囲の積雪との間に落とし穴のような空洞「ツリーホール」ができます。ここに転落すると自力で脱出するのは難しく、周囲の柔らかい雪が流れ込んで窒息につながることもあります。

 

覚えておきたいスキー・スノーボードの安全対策

悪天候のときは無理に滑らない

せっかくスキー場に来たのだからと、悪天候でも諦めたくない気持ちになるかもしれません。しかし、そのために滑りに出てしまうのはあまりにハイリスクです。暴風雪の予報が出ていたり、リフト休止の案内が出るような場合は、無理をしないようにしましょう。

 

樹木などの障害物に近づきすぎない

スキー場内の新雪エリアを滑走する際は、樹木と距離を取るようにしましょう。広葉樹の場合などは積雪内に枝が隠れていることもあり、それに引っかかって転倒する危険もあります。また、バランスを崩した時は樹木などの障害物ばかりを見てしまわないように心がけましょう。視線が向くと、そちらの方向へ身体が進んでしまう傾向があるのです。

 

スピードコントロールを確実に

スピードの出し過ぎは、たとえスキー上級者であっても危険な事故を招きかねません。自分が確実にコントロールできる速さを把握して、安全な滑走に努めましょう。

 

1人だけで滑らない

どんなに気を付けていても、不測の事態は起こるもの。特に雪上となれば、自分1人では身動きが取れない事態も十分考えられます。そんな時、周囲に人がいなければ助けてもらうきっかけすらつかめません。人の少ない場所では特に、1人だけで滑らず、仲間とお互い目の届く範囲で滑走するようにしましょう。また、レスキュー用ホイッスルを持っておくと、トラブルに遭った際、自分の位置を知らせるために役立ちます。

 

コース上に座り込まない

コース上で座り込んでしまうと、滑っている人と座っている人の双方に衝突の危険があります。可能であればリフト乗り場などの広い場所で休憩するのがベストですが、どうしても途中で休憩が必要な場合は、周りをよく見てなるべく邪魔にならないコースの端などで休むようにしましょう。

 

持ち物はしっかり管理を!

広大なスキー場で落とし物をしてしまうと、再び見つけるのはかなり困難です。滑走する際には、持ち物をストラップでつけたりジップをしっかり閉めるなど、しっかり管理するようにしましょう。

 

もし、誤ってスキー場の境界線を越え、バックカントリーへ出てしまったら、それに気づいた時点で停止し、状況を確認しましょう。登り返せそうであれば、戻る努力をするようにしてください。戻るのが難しいと感じたら、迷わず救助要請をしましょう。

スキー・スノーボードは移動速度が速いので先が見えにくく、崖や障害物に気がついた時には手遅れになってしまうケースがあります。そのような状況に陥ると、救助活動も極めて難しくなるのです。

 

スキー場はスキー・スノーボードを安全に楽しめるよう整備されていますが、たとえスキー場内であっても、事故やケガのリスクはゼロではありません。周囲に目と気を配り、楽しみながらも油断はしないように心がけたいものです。

 

監修:

日本雪崩ネットワーク

https://www.nadare.jp/

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