2019年の新語・流行語大賞にもノミネートされた「キャッシュレス」(「キャッシュレス/ポイント還元」として)。みなさんどれくらい活用していて、セキュリティ対策はどうしているのでしょうか?20代~60代の男女110人を対象に実施したアンケートの結果を見ながら、キャッシュレス決済を安全に使うための備えについて、おさらいしておきましょう。
使ったことがある人がほとんどだが、不正利用に対する不安の声も
クレジットカード、電子マネー(カード)は半数以上が利用経験あり
「クレジットカード」と「電子マネー(カード)」を使ったことがあると回答した人は半数以上。続く「QRコード・バーコード決済」も4割以上の人が使ったことがあるという結果に。
ちなみに使ったことがない人に、なぜ使っていないのかを聞いてみると、「仕組みがよくわからない」、「現金でないと嫌」という意見が多く、“目に見えないお金のやり取り”に対する不安が感じられます。
使ったことがある人の不安は「不正利用」や「情報流出」、「システム障害・停電」も
キャッシュレス決済を使ったことがある人の不安は「不正利用」や「情報流出」などキャッシュレスならではのリスクに集中しています。「カードやスマートフォンを盗まれて悪用されるかもしれない」というのも、キャッシュレスの場合、残高や利用可能枠があるだけ使えてしまうので見逃せません。
5人に1人がセキュリティ対策をしていない結果に!
明細を定期的にチェックする人は60%近くいるけれど……
次にどんなセキュリティ対策をしているかを聞いてみると、明細を定期的にチェックし、身に覚えのない請求がないか確認している人が60%近くいる一方で、「特に何もしていない」人が20%以上いるという結果に。いずれにしても、生体認証やパスワードの定期的な変更、遠隔操作の有効化など「被害に遭う前の防止対策」はあまり積極的に行われていないことがわかりました。
決済方法に合わせて複数の対策をとるのがベター
キャッシュレス決済は決済方法により、リスクと対策が異なります。種類ごとに、それぞれ複数の対策をとるのがおすすめです。
・クレジットカード、デビットカードなどの接触型カード
決済用の端末に通して使う「接触型カード」は、端末に通す際に情報を抜き取られる「スキミング」のリスクがあります。セルフレジなどでは「カードの読み取り部付近に見覚えのないパーツがついている」「カードの読み取り部付近だけ店内の他の機器とデザインが違う」など、おかしいところがないかをチェックして使いましょう。決済のために店員などへカードを渡す場合も、カードから目を離さないよう意識してください。
ネットショッピングなどでは端末に入力したカード番号などが漏洩するリスクもありますから、セキュリティ対策を明示しているなど、信頼できるショッピングサイトだけを使うように心がけましょう。心配な場合はスマホ決済や、ICカードリーダーで読み込める電子マネー(楽天Edy、WAONなど)のようにカード番号を必要としない決済方法を使うようにして、情報漏洩を防ぐ対策も有効です。
・プリペイドカード、電子マネーなどの非接触型カード
交通系ICカードなど、端末に近づけて使う「非接触型カード」は、決済の際にパスワードの入力が不要なものが多く、他人の手に渡れば自由に使われてしまいます。まずは紛失や盗難がないよう、持ち運ぶ際にはしっかりと管理しましょう。万が一の時のために、チャージ額も少なめにしておくと安心です。
・電子マネー、QRコード、バーコード決済などのスマホ決済
スマートフォンを使った決済方法は、スマートフォンを起動したうえでさらにアプリを開く必要があるため、他のキャッシュレス決済よりも比較的セキュリティが高いと言われます。ただし、これはあくまでスマートフォン自体のセキュリティ対策がしっかりしている場合のこと。パスワードロックや生体認証に加えて、セキュリティコードなど2種類以上の認証方法を使う「二段階認証」や遠隔操作の有効化など、スマートフォン自体に複数のセキュリティ対策を施しておきましょう。
また、QRコード・バーコード決済の中でも「お店が提示するQRコードをスマホで読み込んで決済する」タイプのものでは、QRコード自体が不正なものとすり替えられる詐欺が起きています。今のところ、決定的な予防策はないのが悩ましいですが、この形式の場合には、QRコードを貼り替えた跡など怪しいところがないか慎重にチェックしたいところです。
防止対策だけでなく、被害拡大を防ぐ備えも
セキュリティ対策の技術は日進月歩で進化していますが、それを破ろうとする手段もまた日々生まれてきています。不正利用などの被害に遭わないための対策に加えて、遭ってしまった場合にもすぐに対策して被害を抑えられるよう、クレジットカードなどの決済手段を紛失した場合は速やかにカード会社や各電子決済サービスの窓口などへ連絡するなど、被害拡大を防げるような行動が大切です。例えば、日ごろから各窓口の紛失届け出に関するWebページをブックマークしておき、さらに、スマートフォンを落とした時にもすぐ連絡できるよう、手帳やメモに窓口の電話番号などを控えておくと安心です。また、気づかないうちに利用されないよう明細をチェックしておくことなども重要です。
便利なキャッシュレス決済ですが、セキュリティ上のリスクはゼロではありません。普段からのちょっとした備えで、より安心してキャッシュレスでのお買い物を楽しめるようにしたいところです。
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