かつて「長生きは喜び」と言われた日本は、いまや世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。その一方で、介護が必要になったときに頼りとなる公的介護保険を、実際にどれほどの人が利用しているのかを知る機会は意外と多くありません。
今回は、公的介護保険の受給状況や就労者にとっての介護状況をデータから読み解き、これからの社会で何が求められるのかを考えていきます。
| 公的介護保険の受給者は570万人超に拡大 |
昨年9月末に公表された「令和6年度 介護給付費等実態統計の概況」によると、80代後半の男性は3割弱、女性は4割以上が公的介護保険を受給しています。さらに年齢が上がり90代前半になると、この割合が男性は半数弱、女性は6割以上に上昇します。高齢の親を持つ誰もが、いつ介護と向き合うことになっても不思議ではありません。
実際、どれくらいの人数が公的介護保険を受給しているのでしょうか。令和7年4月時点で受給者数は約573万人。そのうち女性は約395万人、男性は約178万人です。70代後半以降になると女性の受給率が男性より高くなりますが、これは女性のほうが長生きする傾向が強く、この年代では女性人口が大きく上回っていることが一因と考えられます。
| ワーキングケアラー増加の裏で続く介護離職 |
介護が必要になる割合が高まる80代以上の高齢者の子ども世代は、主に50代以上です。企業の中核層である50代はもとより、定年延長等により60代の就労機会の確保が進む中、就労と介護が時期的に重なるケースが増えることになります。
総務省の「就業構造基本調査」によると、令和4年調査時のワーキングケアラー(介護をしながら就業している人)の数は364.6万人で、10年前の平成24年に比べ25%増加しています。育児・介護休業法の改正、ワークライフバランスを推進する会社の方針や社内制度の整備、さらにそれらを通じた社員の意識変化など、就労環境面で仕事と介護の両立がしやすくなったことが、ワーキングケアラーの増加を後押ししていると考えられます。
しかし一方で、介護を原因とする離職が減少していないという現実もあります。「就業構造基本調査」によれば「家族の介護・看護を理由とする離職者」は直近3回分の結果で、いずれも約10万人です。
今もなおこれだけの人数が介護離職している現実は、労働市場全体の重要課題であることを物語っており、今後の対策が望まれます。
【参照】厚生労働省「令和6年度 介護給付費等実態統計の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/24/index.html
総務省統計局「令和4年(2022年)就業構造基本調査」結果の概要
https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/kgaiyou.pdf
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