ADVANCEコラム

新しい乳がん検診「ドゥイブス(DWIBS)法」

女性のがんの中で最も患者数が多いのが乳がんです。
乳がんは早期発見して治療を受ければ、軽快して仕事や子育てに戻れる可能性が高いのですが、エックス線で
乳房を調べるマンモグラフィーなどの検診受診率は 50% に満たないのが現状です

■ 乳がん検診の受診率が低い要因 を解消する 「ドゥイブス法」
乳がん検診を受けたくない理由である 「痛い」「服を脱ぐのが恥 ずかしい」
などが省かれた新しい乳がん検診が東海大学工学部医用生体工学科教授の
高原太郎医師が開発された「ドゥイブス法」です。
ドゥイブス法とは、MRI の高性能化によって可能となった撮影方法です。

■ ドゥイブス法による乳がん検診は、5つの特徴                                                                                                  ドゥイブス法による乳がん検診は、5つの特徴があります。
①専用の台の上にうつぶせ寝で撮影するだけなので「痛くない」
②胸が圧迫されないので「豊胸手術や乳房の手術後も検査可能」
③放射線を使わないため「被曝しない」
④高濃度乳房※1でもがんを画像上で確認できるた め「がんの見逃しが少ない」
⑤服を着たままで検査を受けられるので「恥ずかしくない 」
「痛い」「恥ずかしい」というハードルが低くなります。

■ ドゥイブス法の乳がん検診の費用                                                                                                                自由診療の場合2万~3万円で、保険適用ならばマンモグラフィーと超音波は2つ合わせても
3 割負担で8000 円ほどです。※2
マンモグラフィーは国の補助により40歳以上は2年に1度無料なので、それよりは費用はかかりますが、
「生涯に乳がんになる日本人女性の割合は9人に1人」ということを考えると、受けるメリットは大きい
のではないでしょうか。
検査時間も15分ほどと短く、全国26の病院で検査を実施されています。

<※1 高濃度乳房>
乳房に占める乳腺組織の割合で、一般的に若いうちは高濃度が多数で、加齢とともに乳腺濃度は低くなりますが、
日本人は年を取っても半数が高濃度乳房です。
高濃度乳房は病気ではありませんが、マンモグラフィーでは乳房全体がほぼ白く写るため、がんが見つかりづら
くなります。
<※2保険適用について>
自身の健康診断の一環としての検査は保険適用外となります。
しかし、治療を目的とするもの(例えば、がんの治療歴があり再発が疑われる方
、主治医が現在がんの疑いがあ
ると認める方)で、厚生労働省が定める基準の適用範囲内の状態の方が受ける場合は、保険適用になることもあ
りますので、保険適用による検査を受けたいと考えておられる方は、事前に医師、検査施設等に相談するなど十
分確認されることをお勧めします。

乳がんは女性のがん罹患順位の第1 位であり 9 人に 1 人が乳がんになりますが、死因順位は第 5 位です。
この罹患順位より死亡順位が低いという事実から、早期発見・治療が重要であることがわかります。

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