ADVANCEコラム

不動産で資金調達する方法のメリットとデメリットについて

急な出費の発生や資金繰りに対する選択肢として、最近リースバックという方法が注目されています。不動産で資金を調達する方法にはリバースモーゲージもありますが、両者の違いを含めて確認しましょう。

リースバックとは自宅などを専門の不動産会社に売却した後、所有者となった不動産会社と賃貸契約を結び、売却済みの家にそのまま住み続けることができる方法です。買い取り代金は一括で支払われるため、まとまった資金を比較的早く得ることが可能です。

対象となる不動産は戸建てやマンションはもちろん、土地や事業用不動産など幅広く取り扱われます。対象とならないものには未登記の不動産、接道要件を満たさない等で再建築不可の土地、借地上の建物などがあります。リースバックを取り扱う不動産会社によって違いはありますが、ほぼ全国で利用可能です。利用できる人の年齢制限はなく(成人で意思能力があれば可能)、共有名義の不動産については名義人全員の同意が必要となります。

なおリースバックを利用した際の主なメリットは、以下の通りです。

・まとまった現金を手にできる

・将来買い戻すことも可能

・売却を周りに知られずにすむ

・引っ越ししないため子供の学区が変わらない

一方で利用の主なデメリットは、次のようになります。

・家賃が周辺相場に比べて高くなることがある

・売却価格が安くなったり買い戻す時の価格が売却価格よりも高くなるケースが多い

・家族が知らない(または同意がない)場合は相続トラブルになりやすい

・子供に財産として残すことができない

特に売却の事実を家族が知らないことは後の混乱を招きやすいため、あらかじめリースバック利用について話しておくなど、トラブルを避ける手立てが必要かもしれません。

不動産で資金調達する方法にはリバースモーゲージもあり、自宅などを担保に金融機関から融資を受けるというものです。一般的に融資は年金形式で行われ、持ち主が亡くなった時に不動産を売却して返済します。リースバックは「融資なし、所有権移転あり、担保不要」という特徴があるのに対し、リバースモーゲージは「融資あり、所有権移転なし、担保必要」となっていて、55歳以上や60歳以上など利用年齢の制限を設けているケースが多くあります。

両者の違いを勘案すると、不動産を複数持っている人、まとまった資金を早期に調達したい人などはリースバックが向いていると言えるでしょう。一方で生きている間は不動産を手放したくない人、長期にわたる生活資金を確保したい人などはリバースモーゲージを選択した方が良いかもしれません。利用の際は資産状況や資金調達の目的を加味し、他の方法も含めて検討することが大切なポイントです。

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