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【自転車乗車用ヘルメットとは?】自転車の安全を見直そう

2023年4月から、自転車乗車用ヘルメット着用が努力義務化されました。自転車事故死の半数以上が頭部に致命傷を負っているというデータもあり、自転車乗車用ヘルメット着用の効果が見直されています。今回は、自転車乗車用ヘルメットの重要性や、安全な自転車乗車用ヘルメットの選び方などについてご紹介します。


自転車に乗る際は「頭を守る」ことが重要

自転車乗用中の事故死者は半数以上が主に「頭部」を損傷している
内閣府│令和5年版交通安全白書 全文(PDF版)別ウィンドウで開く」より引用
内閣府│令和5年版交通安全白書 全文(PDF版)別ウィンドウで開く」によると、自転車乗用中の死者のうち、主に「頭部」を損傷した人の割合は55.7%と全体の半数以上に及びます。次点の「胸部」でも12.4%に留まることから、多くの方が頭部の損傷で命を落としていることがうかがえます。

ヘルメット未着用で事故に遭った場合の致死率は約2.4倍!
内閣府│令和5年版交通安全白書 全文(PDF版)別ウィンドウで開く」より引用

同じく「内閣府│令和5年版交通安全白書 全文(PDF版)別ウィンドウで開く」によると、以下のような状況になっています。

自転車乗用中の事故による死傷者数(863,116人)のうち
・ヘルメット着用者:77,526人
・ヘルメット未着用者:785,590人

自転車乗用中の事故による死者数(4,680人)のうち
・ヘルメット着用者:186人
・ヘルメット未着用者:4,494人

条件を揃えるため「致死率(死傷者のうち死者の占める割合)」で見た場合でも、ヘルメット未着用者の致死率はヘルメットを着用して事故に遭った場合の約2.4倍にもなります。つまり、自転車乗用時にヘルメットを着用することで、損傷を抑えられるケースも少なくないということが分かります。

「自転車乗車用ヘルメットの着用努力義務」とは?

すべての自転車利用者に対して、自転車乗車用ヘルメットの着用が努力義務化
2023年4月に改正道路交通法が施行され、すべての年齢層の自転車利用者に対して、自転車乗車用ヘルメットの着用の努力義務が課されました。また、2023年7月からは、特定小型原動機付自転車(電動キックボードなど)の利用者にも乗車用ヘルメットの着用の努力義務が課されています。努力義務に罰則はありませんが、義務化されたと考えるとその重要性が見えてきます。

「自転車乗車用ヘルメット」とは?バイクと兼用でもいい?
バイク(大型自動二輪車、普通自動二輪車、原動機付自転車)の「乗車用ヘルメット」には、道路交通法で基準が設けられています。一方、自転車と特定小型原動機付自転車に乗車する際に着用する「乗車用ヘルメット」には、現在のところ安全性等に関する公的な規格基準は定められていません。ちなみにバイクの乗車用ヘルメットは、自転車に乗る際に着用しても問題ない性能を持つとされています。

工事用のヘルメットと兼用でもいい?

工事などで使用する「産業用ヘルメット(保護帽)」にも、労働安全衛生法で基準が設けられています。しかしこれは「落下・飛来物用」、「墜落時保護用」、「電気用」などの作業内容に応じて作られたもので、自転車乗車用ヘルメットとは目的が違うことから設計も異なります。法的な問題はありませんが、性能を踏まえると「兼用はできない」ものと考えていいでしょう。

自転車乗車用ヘルメットを着けられない子どもは別の移動方法を検討して

自転車に同乗する子どもにも自転車乗車用ヘルメット着用の努力義務があります。一方で、「独立行政法人国民生活センター│自転車と特定小型原動機付自転車で着用が努力義務化された乗車用ヘルメット-安全性に係る規格等への適合状況と1歳未満の子どもの着用について-別ウィンドウで開く」によると、1歳未満の子どもの自転車乗車用ヘルメット着用について行った調査で、4ヵ月児には自転車乗車用ヘルメットを適切に着用させることができなかったという結果が報告されています。また、調査結果を受けて、1歳未満の子どもを安全に自転車に同乗させることは現状では困難だと判断し、別の移動方法を検討するよう勧めています。

安全な自転車乗車用ヘルメットの選び方・かぶり方のポイントは?

「安全性を示すマーク」の意味を確認しよう
警視庁│自転車用ヘルメットの着用別ウィンドウで開く」より引用

警視庁│自転車用ヘルメットの着用別ウィンドウで開く」では、自転車乗車用ヘルメットの安全性を示すマークとして、下記を挙げています。

・SGマーク(一般財団法人製品安全協会 日本)
・JCF公認マーク・JCF推奨マーク(日本自転車競技連盟 日本)
・JISマーク(日本)
・CEマーク(EN1078)(欧州標準化委員会 EU加盟国等)
・CPSCマーク(1203)(アメリカ合衆国消費者製品安全委員会 アメリカ)
・GSマーク(ドイツ)

こうしたマークがきちんとついているかを確認するとよいでしょう。なお、SGマークなどの日本国内の基準では日本人の標準的な頭部を想定しており、CEマークなどの欧州の基準では欧州人の標準的な頭部を想定している、といった違いもあるので注意が必要です。安全性を示すマークを確認するときは、上記のような違いも踏まえてみましょう。

フィットするサイズを選び、あごひもを確実に締める
自転車乗車用ヘルメットは、頭部にフィットしていることが安全のためにも重要です。成人用・子ども用に関わらず乗る人の頭に合うサイズを選び、着用の際はあごひもを確実に締めて、いざというときに頭からずれたり外れたりしないようにしましょう。

夕方~夜間に乗る場合は、後方を照らす「テールライト」も
通勤などで夕方~夜間に自転車に乗ることが想定される場合は、運転者の後方へ向かって点灯する「テールライト」付きの自転車乗車用ヘルメットを選ぶとより安心です。自転車本体のテールライトよりも高い位置で点灯するので、自動車などからの視認性がより高まります。自転車乗車用ヘルメットに内蔵されていない場合でも、外付けできるタイプのテールライトが市販されています。

自転車乗車用ヘルメットは近所まで乗るだけだと大げさに感じられたり、荷物になると感じたりすることもあるかもしれません。しかし、自転車乗車用ヘルメットを欠かさず着用することは、もしものときの被害を軽減することにつながります。あらためて「努力義務化されるほど重要な装備である」ということを意識してみましょう。

参考:
警視庁│自転車用ヘルメットの着用別ウィンドウで開く
内閣府│令和5年版交通安全白書 全文(PDF版)別ウィンドウで開く
厚生労働省│職場のあんぜんサイト:保護帽[安全衛生キーワード]別ウィンドウで開く
独立行政法人国民生活センター│自転車と特定小型原動機付自転車で着用が努力義務化された乗車用ヘルメット-安全性に係る規格等への適合状況と1歳未満の子どもの着用について-別ウィンドウで開く

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