三大疾病の死亡率改善によって介護リスクが向上!
三大疾病は、脳血管疾患を除き粗死亡率(そしぼうりつ:一定期間の死亡数を単純にその期間の人口で割った死亡率)では上昇しておりますが、年齢調整死亡率※で見ると三大疾病すべて減少傾向にあります。
特に脳血管疾患は男女ともに昭和40年をピークに大幅に低下しています。
死亡診断書様式が改定された平成7年と比較すると、悪性新生物の男では60.8ポイント、女では20.6ポイント、心疾患の男では34.3ポイント、女では 24.2ポイント、脳血管疾患の男では61.5ポイント、女では43.0ポイント低下しています。
つまり、三大疾病の死亡率改善によって介護リスクが高まっています。
<※年齢調整死亡率> 異なる集団の死亡率を比較する際、年齢構成が揃うように調整した死亡率。 たとえば都道府県別の死亡率は高齢者人口の多い地域では高く、若年層の多い地域では低くなる傾向がありますが、基準人口に合わせて年齢構成を調整することで、正確な死亡状況が比較しやすくなります。 日本では基準人口は、通常「昭和60年日本人モデル人口」が用いられています。これは、1985年(昭和60年)の日本人人口に基づいて作成されたものです。 |
■三大疾病の死亡率低下の要因 |
以下の要因が組み合わさり、三大疾病の死亡率は低下していると考えられます。
◆医療の進歩
医療技術や治療方法の進歩により、三大疾病(心臓病、がん、脳卒中)の早期発見や治療が可能になり、また新薬や手術技術の開発により、病気の進行を遅らせたり、治癒率を高めたりすることができます。
◆予防・啓発活動
健康啓発や予防プログラムの普及により、人々の健康意識が高まりました。
たとえば、禁煙キャンペーンや定期的な健康チェックなどが、がんや心臓病の予防に役立っています。
◆健康習慣の普及
健康的な生活習慣の普及も、死亡率低下の要因として挙げられます。
バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理などは、三大疾病のリスクを減らす助けになります。
三大疾病のうち脳血管疾患は、年齢調整死亡率が著しく低下していますが、要介護状態の原因となる疾病にもなっています。 令和3年版高齢社会白書によると、介護が必要になった主な原因については「脳血管疾患(脳卒中)」は認知症に次いで多く15.0%となっています。 |
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