ADVANCEコラム

個人事業者のメリットとなる消費税関連の届出とは?

厳しい経済状況が続いた2020年は、事業を行う個人も深刻な影響を受けました。国や自治体による減税・免税等の施策はぜひ活用したい所ですが、来年に向けて個人事業者が済ませておくべき税務上の手続きはあるでしょうか?

小規模な個人事業者でメリットとなりうるものとして、消費税関連の届出があります。原則として前年(2019年)の課税売上高が1,000万円以下であれば、来年(2021年)は消費税の免税事業者となる取り扱いです。しかし多額の設備投資を来年予定している場合などは、あえて消費税の課税事業者を選択することによって、消費税の還付を受けられる可能性があります。そのための手続きとして、税務署へ「消費税課税事業者選択届出書」を12月中に提出することが必要です。

なお今年開業した個人事業者については、「消費税課税事業者選択届出書」を提出すれば、今年から課税事業者となることが可能です。それによって開業費用等で支払った消費税の一部が、2020年分の確定申告で還付されるかもしれません。

逆に課税事業者がその選択をやめて免税事業者となる場合、税務署へ「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出します。ただし課税事業者となった年から2年間は、原則として免税事業者となることはできないため注意が必要です。

また、課税事業者が「税抜100万円以上の一定の固定資産」「税抜1,000万円以上の棚卸資産」等を購入して、消費税の申告を一般課税で行った場合も、原則としてその年の翌年から2年間は納税義務が免除されず、簡易課税制度も選択できません。そのため購入時に還付を受けた消費税額が3年目に調整されて、納付となる可能性があります。

上述の簡易課税とは、原則的な消費税の計算方法(一般課税)と異なる、簡易な計算により消費税の確定申告を行う方法です。前年(2019年)の課税売上高が5,000万円以下である個人事業者は、今年(2020年)中に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することにより、来年(2021年)から簡易課税が選択可能です。同じ決算数字でも一般課税と簡易課税で納税額が異なるため、経理事務の負担を加味しつつ、どちらの方法を選択したほうが良いか検討する価値はあります。

ただし簡易課税制度を選択した事業者は、2年間継続した後でなければ選択をやめることはできません。また簡易課税では多額の設備投資を行った場合でも、消費税の還付を受けられないため注意を要します。

なお消費税の課税選択および簡易課税制度の適用については、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた事業者に対する特例も設けられています。これらの適用も含めて課税負担を減らすことにより、来年以降の事業経営に活路を見出したいものです。

【参照】国税庁「消費税の課税選択の変更に係る特例について(詳細版)」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/keizaitaisaku/shohi/pdf/syouhizei1-2.pdf

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