ADVANCEコラム

高額賠償に備える自転車保険の内容と義務化

移動時の密集回避や運動不足解消の目的で、自転車を利用する人が増えています。しかし歩行者との接触等で事故の加害者になった場合、賠償金が高額となる可能性は心配な点です。それをカバーする自転車保険の内容と、自治体による加入義務化の状況を確認しましょう。

●後遺障害で1億円近くの賠償が命じられたケースも
自転車保険が広がったきっかけの一つは、高額な賠償事例への対応です。過去には自転車の運転者が歩行者や他の自転車と接触し、相手の後遺障害によって1億円近くの賠償が命じられたケースも存在します。
このような事態に備えるためには、あらかじめ自転車保険(自転車利用中の対人賠償事故に備える保険等)へ加入しておくことが大切です。補償限度額や内容は各保険会社で異なり、賠償責任だけでなく自身の怪我、自転車ロードサービスや示談交渉まで付けられる商品もあります。
賠償責任に限れば火災保険や自動車保険等に特約を付加し、自転車だけでなく日常生活全般をカバーすることも可能です。これは個人賠償責任特約などと呼ばれるものですが、自転車保険と重複する部分があるため、検討の際は現在加入している他の保険の内容を確認すると良いでしょう。

●全国で自転車保険加入の義務化が広がっている
自治体の動きとしては2015年10月、兵庫県で自転車保険の加入が義務化されたのを皮切りに、現在は全国で半数以上の都道府県において、加入が義務づけられています。自治体によってはやや緩やかな「努力義務」とされていたり、特定の市町村のみ適用範囲が異なるなど、状況はまちまちです。とはいえ自転車事故に向けられる目が厳しくなっていることからも、義務化の流れは今後も広がっていくでしょう。
自転車保険の加入率も保険会社によってデータは異なりますが、全国平均で6割程度となっています。加入が義務化されている地域は義務化されていない地域と比べ、1~2割ほど高い加入率となっているようです。
一般的な自転車保険も個人賠償責任特約も、配達といった業務で自転車を運転している場合の事故は、補償の対象外となってしまうため注意が必要です。配達のマッチングアプリ等を通して保険に加入できるケースもありますが、対象となる事故の状況など、カバー範囲が限定されるようです。
保険加入は安心の幅を広げますが、事故の影響をゼロにすることはできません。自転車を運転する時はもちろん、歩行時なども事故に遭わないよう、一層の注意を保つことが大切です。

【参照:1】警視庁:「交通安全情報令和2・3」
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/jikoboshi/torikumi/kotsu_joho/bicycle.files/20200316.pdf

三井住友海上自転車保険はこちら↓

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP