ADVANCEコラム

5月の安全運転のポイント

警察庁の発表によると、令和5年の交通事故による死者数は2,678人で、平成27年以来8年ぶりに前年よりも増加しました。
今回は、令和5年の交通死亡事故の主な特徴をまとめてみました。
(資料は、警察庁「令和5年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」による)

【令和5年の交通事故発生状況】
○発生件数  307,930件(前年比+7,091件 +2.4%)
○死者数    2,678人(前年比 +68人 +2.6%)
○負傷者数  365,595人(前年比+8,994人 +2.5%)

*発生件数とは、人身事故件数をいい、物損事故は含まれません。
*死者数とは、交通事故発生から24時間以内に死亡した人数をいいます。

65歳以上の高齢者の死者数が半数を超える

年齢層別に死者数をみると、65歳以上の高齢者が1,466人で(図2)、全死者数に占める割合は54.7%と半数を超えています。
65歳以上高齢者の死者数を状態別にみると、歩行中が687人(46.9%)で半数近くを占め、次いで自動車乗車中が451人(30.8%)、自転車乗用中が208人(14.2%)、二輪車乗車中が109人(7.4%)となっています(図3)、歩行中の高齢者を見かけたときは、横断歩道のない場所であっても「横断してくるかもしれない」と考えてスピードを落として、その動向に注意しましょう。

「横断中」が4分の1近くを占める

死亡事故を事故類型別にみると、車両相互が933件(35.6%)で最も多く、次いで人対車両が924件(35.3%)、車両単独が720件(27.5%)となっています(図4)。
事故類型の内容をみると、最も多いのは人対車両の「横断中」595件(22.7%)で全体の4分の1近くを占め、次いで車両単独の「工作物衝突」435件(16.6%)、「出会い頭衝突」の274件(10.5%)となっています。
横断歩道に接近した時は、横断歩行者の有無を確認し、横断中や横断しそうな歩行者がいる時は必ず手前で一時停止する、横断歩行者がいるかいないか明らかでない時は手前で停止できるよう速度を落として進行する、という歩行者保護の基本を守った運転を実践しましょう。

道路形状別では、交差点内とその付近が死亡事故のほぼ半数を占める

死亡事故件数を道路形状別にみると、交差点内が907件(34.6%)、交差点付近が372件(14.2%)を占め、交差点内と交差点付近を合わせると48.9%と全体のほぼ半数を占めています。
交差点内について信号機の有無別でみると、信号機有が信号機無より多くなっています(図5)。
信号機有の交差点では、信号をしっかり確認するとともに、特に右左折時には必ず徐行をして、歩行者や自転車の有無を確認しましょう。

法令違反別では、「漫然運転」、「安全確認」が前年より増加している

原付以上の運転者が第1当事者となった死亡事故を法令違反別にみると、「漫然運転」が403件(17.2%)で最も多く、次いで「安全不確認」313件(13.3%)、「運転操作不適」264件(11.2%)、「脇見運転」256件(10.9%)となっています(図6)。
前年に比べて特に増加しているのは、「漫然運転」(77件増)と「安全不確認」(67件増)です。
疲れている時や考え事をしている時は「漫然運転」になりやすいと言われていますので、疲れているときはできるだけ運転を控える、走行時には考え事はせず運転に集中することを心がけましょう。
また、急いでいる時は安全確認が不十分になりやすいので、急がなくても済むような余裕のある運転を心がけましょう。

昼夜別死者数は昼間のほうが多く、夜間は歩行中の死者数が4分の1近くを占める

死者数を昼夜別にみると、昼間が1,396人(52.1%)、夜間は1,282人(47.9%)で、昼間のほうが多くなっています。
昼夜別・状態別でみると、昼間は自動車乗車中が541人(20.2%)で最も多いのに対して、夜間は歩行中が631人(23.6%)で最も多く、全死者数の4分の1近くを占めています(図7)。
相手が車や自転車の場合はライトにより存在を確認できますが、歩行者の場合は反射材を着用している人が少ないため発見が遅れがちになります。
早目にヘッドライトを点灯し、できるだけ早く歩行者を発見するよう努めましょう。

 

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