最近、高齢ドライバーによる痛ましい事故のニュースが増えています。ご両親に何かあったらと気を揉んでいる方も少なくないのではないでしょうか。今回は、高齢ドライバーに考えられるリスクや、チェックしておきたい運転診断ツールについてご紹介します。
高齢ドライバーが増え、事故のリスクも高まっている
高齢ドライバー数は年々増加している
出典:内閣府ホームページ(https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h29kou_haku/gaiyo/features/feature01.html)
警察庁資料によると、平成18年以降、75歳以上の運転免許保有者の数は年々増え続けていて、今後しばらくは増え続けることが見込まれています。「若い世代のドライバーが減っているから高齢ドライバーの事故が目立つだけで、事故率(人数あたりの事故件数の多さ)自体は上がっていない」と見る向きもありますが、事故件数自体は増加傾向にあります。
高齢ドライバーの免許人口10万人当たりの死亡事故件数は、他の世代と比較して2倍以上
出典:内閣府ホームページ(https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h29kou_haku/gaiyo/features/feature01.html)を加工して作成
同じく警察庁資料によると、「年齢層別免許人口10万人当たり死亡事故件数」は75歳以上の年齢層が最も多くなっています。実際に免許人口10万人当たりの死亡事故件数を75歳以上と75歳未満の運転者で比較すると、75歳以上の運転者が2倍以上となっていることがわかります。
高齢ドライバーの事故にはどのような原因があるのか
事故原因で目立つ「操作不適」と「内在的前方不注意」
出典:内閣府ホームページ(https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h29kou_haku/gaiyo/features/feature01.html)
「ブレーキとアクセルの踏み間違い」は高齢ドライバーの事故原因としてよく報じられますが、統計上も踏み間違いを含む「ハンドル等の操作不適」が最も多くなっています。
続いて多いのは「内在的前方不注意(漫然運転等)」。“漫然運転”とは、運転中に運転以外のことを考えたり、ぼんやりしているといったことを指します。「外在的前方不注意(脇見等)」とは異なり、前を見てはいるけれども、運転に必要な注意力が足りていない状況が推測されます。
高齢ドライバー自身が、運転特性の変化を自覚することが大事
この結果について、内閣府では次のような見解を述べています。
高齢運転者の特性については,年齢や体力,過去の経験等によって大きな個人差が認められるものの,一般的に,
・視力等が弱まることで周囲の状況に関する情報を得にくくなり,判断に適切さを欠くようになること
・反射神経が鈍くなること等によって,とっさの対応が遅れること
・体力の全体的な衰え等から,運転操作が不的確になったり,長時間にわたる運転継続が難しくなったりすること
・運転が自分本位になり,交通環境を客観的に把握することが難しくなること
などが挙げられており,これらの特性が,75歳以上の運転者が死亡事故を起こしやすい要因の一つになっているものと考えられる。
出典:内閣府ホームページ(https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h29kou_haku/gaiyo/features/feature01.html)
高齢ドライバーの立場で考えてみると、なかなか客観的に自分の運転を捉えることができず、つい「以前と同じように運転できるつもり」でハンドルを握ってしまう……そのために、思わぬ事故につながりやすいといった様子がうかがえます。
まずは高齢ドライバー自身が自分の運転特性の変化を把握し、運転内容や車選びに反映させたり、場合によっては免許返納を検討したりすることなどが重要と言えそうです。
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親にとって、子どもから衰えを指摘されたり、行動を制限されることがうれしいこととは限りません。まずは運転診断ツールなどで現在の状況を自然に理解し、自分に合う運転環境を自ら選ぶよう促すのが、スムーズな備えにつながると言えそうです。
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