ADVANCEコラム

【年末年始に要注意!】冬場の食事にまつわるリスクと対策

年末年始は家族や勤務先の関係者等と集まって食事をする機会も多くなります。行事を彩るメニューやおもてなしの用意につい気を取られがちですが、食中毒や、おもちを喉につまらせる事故などにも同じように注意が必要です。今回は、冬場の食事で注意したいポイントや対処方法などをご紹介します。

 

冬の食中毒の多くはノロウイルス感染症

感染者からうつってしまうことが

冬の食中毒の多くは、ノロウイルス感染症によるものです。ウイルスに汚染された二枚貝、特に冬場に好んで食べられるカキが感染源としてよく知られていますが、実は過去のノロウイルス食中毒事例の約7割で、原因食品が特定できていないのだとか。これは、ウイルスに感染した人が調理した食品などを介して二次感染するケースがあるためと考えられています。

 

まずは加熱調理・手洗いで感染を予防して

ノロウイルスは、食品を十分に加熱することで防ぐことができます。目安としては、コーデックス委員会(食品の国際基準を作る国際機関)が定めたガイドラインが参考になるでしょう。このガイドラインを厚生労働省が日本語訳した「食品中のウイルス管理への「食品衛生の一般原則」の適用に関するガイドライン」によると、二枚貝のウイルス被害を加熱調理で防ぐには、中心部が85℃~90℃の状態で、90秒以上の加熱が必要だとされています。また、調理器具からの感染を防ぐためにも、使用後は加熱消毒をするようにしましょう。こちらは、85℃以上で1分以上の加熱が必要だとされています。

 

調理器具のように、感染した人の手などを介して感染するケースでは、手洗いも重要です。石鹸は手指からウイルスをはがれやすくしてくれます。調理前、食事前、トイレの後、汚物処理やおむつ交換の後などは、ブラシを使って細部までしっかり手洗いをし、温水でよく流すのがおすすめです。

消毒用エタノールも簡易的な対策にはなりますが、手洗いほどの効果は望めないといわれます。外出先などで手洗いができない場合の、副次的な利用と考えておきましょう。

 

おう吐物などには特に注意!片づけも慎重に

ノロウイルスは感染した人のおう吐物や便にも多く含まれていますし、汚染されたままだと感染力のあるウイルスが何日も残ることもあります。二次感染しないよう十分に注意しながら、速やかかつ慎重に処理することが重要です。

片づけをするときは、まず処理をする人以外を別室に隔離し、使い捨てのエプロン、マスク、手袋(二重がおすすめです)などで汚染物に直接触れないようにしてから、ウイルスが飛び散らないよう静かにふき取ります。さらに次亜塩素酸ナトリウム消毒液(市販の塩素系漂白剤[塩素濃度約5%]を水で250倍希釈することで作れます)で拭き掃除をし、仕上げに水拭きをしましょう。汚染物や使い捨てのエプロン類は、ビニール袋に密閉し、できればここにも先ほどの消毒液を入れて廃棄します。処理をした後は、ウイルスが屋外へ出るように風向きも考慮して、部屋の換気を行いましょう。

 

おもちの事故には年令を問わず用心するべき

どの世代にもおもちを喉に詰まらせるリスクがある

冬場になると話題になる、おもちの事故。東京消防庁のデータによると、平成24年から平成28年の5年間でおもちを喉に詰まらせて救急搬送されたケースの約9割は、65歳以上の高齢者が占めています。確かに、高齢者については特に注意するべきですが、忘れてはならないのは「高齢者以外の年代も約1割がおもちを喉に詰まらせている」ということ。

乳幼児や児童、もちろん若者や働き盛りの世代であっても、事故のリスクがあるということなのです。

 

1人でおもちを食べるのはとにかく避ける

万が一おもちを喉に詰まらせてしまった場合、自分自身で対処するのは至難の業。誰にも発見されないまま、手遅れになってしまってはなりません。おもちの食べ方自体を工夫することも重要ですが、100%の対策はないと心得て、おもちを食べる時はできるだけ誰かの目が届くようにしておきましょう。

 

小さく切る、よく噛む、先に汁物をとるなど工夫を

おもちを喉に詰まらせる事故では、その人にとっておもちが大きすぎたり、粘りけが邪魔をして飲み込みづらい状態が想定されます。だ液の量が少ないなど、口の中が乾燥しておもちがくっつきやすくなっているといったケースもあるでしょう。

事故を防ぐために、まずはおもちを小さく切り、飲み込みやすくすること。口の中につきにくくするため、先に水や汁物で口の中を湿らせておいたり、大根おろしなどをまぶしておもち表面の粘りを弱めるのもおすすめです。

また、食べる際はよく噛んで、大きいまま飲み込まないようにしましょう。会話やテレビなどに夢中になっていたり、酔っ払っていたりすると、無意識によく噛まず飲み込んでしまうこともありますから、特に注意したいところです。

 

おもちを詰まらせたときの対応もチェック!

もし一緒に食事をしている人がおもちを喉に詰まらせてしまった時は、以下のような応急手当を行いましょう。

 

まず周りの人が喉を詰まらせているのか本人に呼びかけ、意識がある場合はおもちを吐き出させるようにしましょう。親指と人差し指で喉をつかむポーズは「チョークサイン」と呼ばれ、窒息しているという世界共通のサインです。また、本人と救助者以外にも人がいる場合は、速やかに119番通報します。

喉に詰まったものを吐き出させるには、主に2つの方法があります。1つは、後ろから手を回して片手の握りこぶしをもう一方の手で握るようにし、みぞおちの下、へその上にあたる部分を圧迫する「腹部突き上げ法」。こちらは優先的に実施したい方法ですが、妊婦や乳児には行えないので、次の「背部叩打法」を用います。

うつむかせ、肩甲骨の間を強く叩き続ける「背部叩打法」は、どなたにでも使えます。乳児の場合は大人の片腕の上にうつぶせに寝かせ、頭を低くして肩甲骨の間を叩きます。

 

本人がぐったりして反応がなくなった場合、119番通報をしていなければすみやかに通報し、心肺蘇生を始めます。AEDが近くにある場合は、使用しましょう。詳しくは、日本医師会「救急蘇生法 心肺蘇生法の手順」(http://www.med.or.jp/99/cpr.html)をチェックしてみてください。

 

ちなみに、おもちの事故でよく聞くのが「掃除機を使って吸い出す」方法ですが、ノズルが口に入りにくかったり、ノズルでおもちを押し込んでしまったりと、逆に事態を悪化させる可能性があるので注意しましょう。

 

いざという時に慌てないためにも、ノロウイルス対策やおもちの事故対策は予防だけでなく対処方法までしっかりチェックして備えましょう。

 

参考:

国立感染症研究所「ノロウイルス感染症とは」

https://www.niid.go.jp/niid/ja/encycropedia/392-encyclopedia/452-norovirus-intro.html

 

首相官邸

「ノロウイルス(感染性胃腸炎・食中毒)対策 ~冬は特にご注意を!~」

https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/noro.html

 

厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html

 

食品安全委員会「ノロウイルスの消毒方法」

http://www.fsc.go.jp/sonota/dokukesi-norovirus.html

 

日本医師会「救急蘇生法 気道異物除去の手順」

http://www.med.or.jp/99/kido.html

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP