ADVANCEコラム

がん診断数は新型コロナ感染拡大前の水準に戻ったが・・・

国立がん研究センターはがん診療を行う全国の主な医療機関455施設で2021年にがんと診断されたのべ80万人余りの患者のデータを分析し結果を発表しました。
内容は以下の通りです。なお、%はコロナ拡大前(2018年から19年)の平均との比較です。

■診断数(がんと診断された患者数)
新型コロナ感染拡大が始まった2020年にがんと診断された人は新型コロナの感染拡大に伴う受診控えなどの影響で76万5044人と4.1%減少しましたが、2021年は80万6589人で1.1%増え、新型コロナ感染拡大前の水準に戻っています。

■部位別
胃がんと診断された人の数は-8.9%、喉頭がんでは-5.3%と5%以上減少している一方、乳がん+7.2%や膵臓がん+6.6%などの患者数は5%以上増加しています。

■ステージ別
胃がん、大腸がん、乳がんそれに子宮頸がんでステージ0から1の早期がんの診断数が減少しています。

■発見経緯
がん検診推奨部位(胃、大腸、肺、乳房、子宮頸部)におけるがん検診による発見は、胃、大腸、肺、子宮頸部で減少、乳房はやや増加しています。

がん検診・健康診断などによりがんが発見された人(青色)は全部で16.5%でした。他の疾患で経過観察中に受けた検査によって発見された人(橙色)が33.8%以上で、残りは自覚症状が出てから受診して発見された人などです。
がん検診等の発見経緯の率が向上すれば、早期発見により治る可能性が向上し、がん死亡率が減少されることができます。

  • がん患者数は近年の増加傾向を考慮すると2021年のがん診断数は予測より少ない
  • 上皮内がんを含む早期がんの患者数が減少している
  • がん検診等による発見例が減少している
    以上の結果を考えると新型コロナの感染拡大に伴う受診控えなどの影響がまだ続いていると考えられます。
がん検診の受診を控えることにより、見逃されたがんが進行した状態で発見される件数が今後増加する可能性があります。

 

 

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